半導体量ドットレーザの試作研究
【研究分野】応用光学・量子光工学
【研究キーワード】
量子ドット / MOCVD / MBE / 半導体レーザ / 自己組織化 / GaN / 量子効果 / InAs / 半導体 / ナノ構造
【研究成果の概要】
本研究は、研究代表者が長年取り組んできた量子ドットレーザについて、実用化を目指してその素子技術の確立を図ることを目的として遂行されている。
まず、InGaAs自己形成量子ドットについて、実用化に重要な光通信用波長帯である13.-1.5μm帯発光をめざして結晶成長の最適化を行った。その結果、世界で最も長い1.5mmの発光波長を実現することに成功した。これはGaAs上に成長したInAs量子ドットをGaAsではなくInGaAsで埋め込み歪効果を抑制したためである。さらに、量子ドットとフォトニック結晶を組み合わせた量子ドットレーザ構造を作製することができた。これは、選択成長により量子ドットを形成する領域を制限したためである。
一方、理論的にワイドギャップ半導体レーザにおいては、量子ドットレーザを導入することによる特性改善の効果が、大きくなることを示すことができた。 GaN系量子ドットレーザにおいては、GaAs系量子ドットレーザと比べると、約一桁異大きい改善率が得られることが明かとなった。さらに、新しい非反転分布型レーザの概念を明らかにした。
さらに、 GaN上にInGaN量子ドット形成のための結晶成長技術の確立をはかり、これにもとづき青色量子ドットレーザを作製した。その結果、光励起ではあるが室温でレーザ発振に青色量子ドットレーザとしては世界で初めて成功した。また、紫外発光レーザをめざして、 AlN上のGaN量子ドットの形成をSiC上に減圧成長で達成することに成功した。フォトルミネッセンス測定により発光を確認した。
以上、本研究の遂行により、量子ドットレーザの試作を行うとともに、それにかかわる材料技術基盤の確立をはかることができた。
【研究代表者】