マルチフェロイック物質における光・マグノン・フォノン結合と伝播イメージング
【研究キーワード】
スピンダイナミクス / 超高速分光 / マルチフェロイック物質 / マグノン / フォノン・ポラリトン / イメージング / フォノン
【研究成果の概要】
直線偏光のフェムト秒光パルスをマルチフェロイック物質BiFeO3に照射し、インパルシブ誘導ラマン散乱によってマグノンやフォノン・ポラリトンを非熱的に励起し、その空間伝播を時間分解イメージングした。得られた時空間マップから分散関係を求め、マグノンとフォノン・ポラリトンの結合を見出した。ポンプ・プローブ偏光との関係、温度依存性を詳細に検討し、マグノン・フォノン・ポラリトンの励起機構と検出機構を明らかにした。
【研究の社会的意義】
省電力かつ超高速なデバイス応用をめざすスピントロニクスでは、ジュール熱を原理的に生じないスピン波(マグノン)が有望な情報伝達媒体となっている。強誘電性と反強磁性が室温で共存するマルチフェロイック物質BiFeO3は、サブTHz帯にスピン波共鳴周波数をもつ。また、光学フォノンが電磁波と結合したフォノン・ポラリトンを形成することが期待される。本研究では、これまで独自に開発してきたポンプ・プローブ磁気光学イメージング法により、フェムト秒光パルスを用いて、非熱的にマグノン・フォノン・ポラリトンを励起し、伝播速度が速く、長距離にわたるTHz帯スピン波伝播を実現した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)