新規な固体選択酸化触媒(無機人工酵素)の開発
【研究分野】環境関連化学
【研究キーワード】
ポリオキソメタレート / マクロカチオン / 複合化 / 親水性 / 疎水性 / マクロカオチン / 両親媒性
【研究成果の概要】
ポリオキソメタレート[α-SiW_<12>O_<40>]^<4->,マクロカチオン[Cr_3O(OOCC_2H_5)_6(H2O)_3]^+,Cs^+により構築した.この化合物は層状構造を有し,層間にはCs^+が存在した.この化合物は層を貫く[110]方向に親水性チャネル,α軸方向に炭素鎖に囲まれた疎水性チャネルを併せ持つ.親水性チャネル,疎水性チャネルの体積はそれぞれ20μLg^<-1>,30μLg^<-1>であり,疎水性チャネルの最小径最大径はそれぞれ3.4Å,5.2Åであり,この化合物が親水性チャネルと疎水性チャネルを併せ持つイオン性結晶であることを明らかにした.さらにこの化合物を用いて,水・ジクロロメタン混合蒸気からの水とジクロロメタンの分離回収を試みた.まず,この化合物を298Kで12h,水(2.7kPa, P/P_0=0.85)とジクロロメタン(41.OkPa, P/P_0=0.71)の混合蒸気と接触させた.気相の蒸気を排気した後,試料を273Kで1.5h真空排気し,脱離したガスの量をガスクロにより定量した結果,9.9±0.5μLg^<-1>(0.70±0.05mol mol^<-1>)のジクロロメタンが検出された.気相の蒸気を排気した後,試料を298Kで1.5h真空排気し,脱離したガスの量をGCにより定量した結果,22±1.OμLg^<-1>(5.2±0.2mol mol^<-1>)の水が検出された.従って,この化合物に収着された水とジクロロメタンは分離回収された.
【研究代表者】
【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】3,300千円 (直接経費: 3,300千円)