高機能化ペプチド足場材料を利用した細胞の三次元培養と細胞外環境イメージング
【研究キーワード】
ペプチド / 自己組織化 / ヒドロゲル / 細胞 / 三次元培養 / イメージング / pH / 細胞培養
【研究成果の概要】
人工的にデザインしたペプチド性足場材料を用いて細胞を三次元的に培養し、培養空間における細胞外環境をリアルタイムにイメージングするための手法を新たに開発した。細胞の三次元培養のために生理活性配列RGDSを導入した自己組織化ペプチドと、弱酸性環境で発蛍光性となる蛍光pHプローブRhoB-Aibを導入した自己組織化ペプチドを併用したペプチドゲル内で乳がん細胞MCF7を三次元的に培養することができた。また、培養日数の経過に伴って増殖したMCF7細胞外のRhoB-Aibの蛍光強度が増大し、がん細胞外が弱酸性環境になる過程をリアルタイムに可視化することに成功した。
【研究の社会的意義】
本研究は三次元的な細胞培養材料と蛍光イメージングプローブを駆使して、これまでに対象とされていなかった細胞外・細胞間の「空間」を新たなイメージング対象とする革新的な研究である。本研究は、がん細胞の悪性化の一因と考えられている細胞外酸性環境を蛍光によりリアルタイムにイメージングした最初の研究であり、がん疾患のメカニズム解明に貢献することが期待され、学術的に意義のある研究である。また、腫瘍に特有の微小環境を標的とした新しい創薬にも応用できると考えられ、社会的にも有意義な研究である。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)