巨大な内部空間を持つ蛋白質会合体を用いた電子顕微鏡解析用包摂材料の開発
【研究キーワード】
ヘモシアニン / 電子顕微鏡 / 構造解析 / クライオ電子顕微鏡 / タンパク質包摂
【研究成果の概要】
種々のリンカーを介してゲストタンパク質をヘモシアニン内部に結合させることができた。また、リンカーの違いにより、ゲストの結合がホストの10量体構造の維持に及ぼす影響が異なることがわかった。これは、ゲストがホスト内部に結合する強さに起因することが示唆された。電子顕微鏡観察からも、条件を整備することで、内部にゲストを包摂したまま安定な10量体構造を維持できることがわかった。金ナノ粒子を用いた評価からは、ゲストの包摂率を向上させることの重要性が示唆された。
【研究の社会的意義】
著しい発展を遂げているクライオ電顕単粒子解析であるが、100 kDa以下の小さな蛋白質や形状に際立った特徴のない蛋白質の解析は依然として難しく、あらゆる蛋白質の構造を容易に決定できる手法の開発を望む声は大きい。ヘモシアニンをゲストに用い、その開発を目指した本研究で得られた知見、すなわち、ホストの会合構造がゲストを結合させるリンカーの種類により異なることや、ゲストの包摂率を向上させることの重要性が、今後の技術開発に寄与することが期待される。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
松井 崇 | 北里大学 | 理学部 | 講師 | (Kakenデータベース) |
安部 聡 | 東京工業大学 | 生命理工学院 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)