材料・皮膜の接合性および密着性の非破壊的評価のための超音波試験装置の開発
【研究分野】材料加工・処理
【研究キーワード】
超音波試験 / 非破壊検査 / 溶射 / 摩擦圧接 / 密着性 / 接合性 / 接合界面 / 比破壊評価 / 超音波 / 溶射皮膜 / 非破壊的評価 / 探触子姿勢制御 / 表面自動倣い制御 / 局部水浸法 / 超音波周波数 / 皮膜密着性
【研究成果の概要】
超音波試験法による溶射皮膜の密着性および接合材の接合性評価のための新しい装置を開発し,その実用性を明らかにした。得られた主たる結果は,以下のようにまとめられる.
1) 従来使用していた3軸走査装置に大幅な改良を加え, X-Y-Zの直行3軸に加えて超音波探触子の方向を微調整できるαおよびβの2軸を加えた計5自由度を持つ精密な多軸測定ロボットを製作した.まず,本装置を用いて超音波探触子が測定材に常に垂直となるような探触子姿勢制御システムを構築した.さらに探触子を曲面に垂直性に保ちつつ表面を自動倣いするための倣い制御システムをを構築した.またその実用性を確認するために実際に5軸ロボットおよび制御システムを構築し,実験によりその有効性を示した.
2) 本超音波法を実際に工場あるいは現場における大型構造物に適用することを可能とするために,新たに局部水浸法を開発した。本法は,探触子と被測定材との間隙に超音波の伝播媒体としての液体を保持するため,探触子にノズルを適用し,常に必要量の水を流しつつ試験を行うものである.開発したシステムによる測定実験結果より,本法を用いても従来の実験室的な小型水槽における試験に遜色のない測定精度が得られることが示され,その有効性が確認された.
3) 気孔率,密着性を同時に測定し,それらを非破壊的に精密に推定する手法を新たに提案した.本手法の有効性についてはさらに検討する必要があるが,従来の手法に比べてより高精度な評価が可能性であることを確認しつつある.
4) 周波数の異なる趙音波を用いて超音波実験を行い,測定精度および測定限界に対する周波数の影響について検討した.これに関しては,さらに検討を重ねる必要があるが,周波数の上昇に伴って超音波の集束性は向上するため,その測定精度が改善されることを示した。
5) 底面エコー法による摩擦圧接部の接合性評価が可能であることを示した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
深見 慎二 | 小野田セメント | アイオニクス技術センター | 主任研究員 |
小川 恒一 | 大阪府立大学 | 総合科学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1996 - 1998
【配分額】3,100千円 (直接経費: 3,100千円)