HeII冷却による超伝導電磁石システム設計のためのデータベース構築
【研究分野】熱工学
【研究キーワード】
データベース / HeII / 超流動ヘリウム / 熱伝達 / 臨海熱流速 / 臨界熱流束
【研究成果の概要】
本研究においては以下の項目について行った。
(1)HeII冷却要素技術に関する論文調査、データの集積およびデータベースの整備
(2)HeII熱移送特性の実験的研究およびデータの蓄積
(1)のデータベースの整備に関しては各々の機関で研究調査を分担し、1次データベースの整備を行った
(2)の実験的研究では、以下のように各機関で装置の整備と実験を実施し、一部データの集積を行った。
[核融合研]急激な断面積の変化における熱移送の実験的研究:
・超伝導コイル内のHeIIの熱移送特性を把握するために、加圧超流動He下でブロックにより制限したチャネル中での熱伝達機構の実験的研究を行った。
[京大]加圧HeII中の定常及び過渡熱伝達の研究:
・浸漬冷却超伝導マグネットの冷却流路を模擬し、浸漬冷却での矩形チャネル中の定常および過渡熱伝達機構について実験的研究を行った。過渡現象に興味ある結果が得られている.
・強制対流における熱伝達機構の実験的研究を行った。
・二流体モデルの数値解析のために、2次元体系における2流体モデルの基礎方程式の厳密解を求める数値解析コードを発展させ、3次元体系で解析できるコードの開発を進めた。
[金材研]
・0.2〜1.5MPaまでの圧力範囲で、加圧超流動Heの熱伝達関数の測定を行い、測定値と実験値の比較検討を行った。
[高工研]
・加圧超流動HeII可視化クライオスタットを使って、超流動ヘリウム下での沸騰現象を映像としてとらえ、詳細な観測を行った。
・マイクロチャネル中の熱伝達の断面積効果について測定し、これまでになかった微小領域での熱伝達機構について貴重な知見を得た。
以上の実験的研究成果と文献調査を基に、最終年度である平成14年度にHe II冷却による超伝導電磁石システム設計のための必要なデータベースの構築を行った。作成したデータベースは公開する方向で考えている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
畑 幸一 | 京都大学 | エネルギー理工学研究所 | 助手 | (Kakenデータベース) |
塩津 正博 | 京都大学 | エネルギー科学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
新冨 孝和 | 高エネルギー加速器研究機構 | 低温工学センター | 教授 | (Kakenデータベース) |
佐藤 明男 | 高エネルギー加速器研究機構 | 物質・材料研究機構 | リーダー |
三戸 利行 | 高エネルギー加速器研究機構 | 核融合科学研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2000 - 2002
【配分額】41,870千円 (直接経費: 35,900千円、間接経費: 5,970千円)