反射電子顕微鏡と組み合わせたカソ-ドルミネッセンス検出装置の試作
【研究分野】結晶学
【研究キーワード】
透過型電子顕微鏡 / カソ-ドルミネッセンス / 反射電子顕微鏡法 / チェレンコフ放射 / 遷移放射 / 反射電子顕微鏡 / カソードルミネッセンス / 反射電子顕微鏡法(REM)
【研究成果の概要】
透過型電子顕微鏡(TEM)と組み合わせたカソ-ドルミネッセンス(CL)検出装置は、走査型電子顕微鏡(SEM)と組み合わせたものに比べ空間分解能が高く、また透過電顕像から格子欠陥の結晶学的な情報を得ることが出来る利点があるが、薄膜試料を用いるためCL発光強度は弱く、試料作製上の困難も伴っている。本研究では、空間分解能やCL強度の点で両者の中間に位置する手法として、反射型電子顕微鏡(REM)と組み合わせたCL検出装置の製作を試みた。この方法では、試料の表面すれすれに電子線を入射し、その表面をREM像として観察し、同時に表面上の任意の位置に電子ビ-ムを照射し、その領域からのCLスペクトルを検出することが出来る。反射電子顕微鏡法は、表面の観察法として定着しており、その意味でこの方法は表面の新しい評価法としての可能性も含んでいる。装置は、既存のTEMと組み合わせたCL検出装置の集光部を改造し、REM専用の試料ホルダ-を製作することで完成した。集光方式として2つのものを試した。1つは表面からの光を直接レンズによって集める方式と、もう1つは試料位置をホルダ-の適当な場所に移し楕円型ミラ-により集光する方式である。応用としてREM用ホルダ-を用いて半導体結晶のへきかい面を利用して GaAS/AlGaAS 量子井戸構造を直接観察することが出来た。反射モ-ドのCLでは検出に十分な強度を得ているが、欠陥における強度変化は透過モ-ドに比べると大きくない。現在、さらに入射角や試料設定を変えて検討中である。楕円型ミラ-を試料の下側に置いたとき、特に透明な絶縁体試料からCLとは明かに別の性質を持つ光が検出された。この光の性質を調べた結果、電子が媒質中の光速より速く運動するとき発するチェレンコフ放射であることが明らかにされた。さらに、金属や半導体では遷移放射が観測され、加速電圧や結晶厚さに対する性質が調べられた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
近藤 行人 | 日本電子(株) | EO技術本部EMG | 研究員 |
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【研究種目】試験研究(B)
【研究期間】1988 - 1989
【配分額】3,400千円 (直接経費: 3,400千円)