電子伝達性蛋白質-DNAハイブリッド分子の自己組織化による超分子構造の構築
【研究分野】応用物性・結晶工学
【研究キーワード】
電子伝達蛋白質分子 / 光応答性蛋白質分子 / シトクロムb562 / GFP / 融合蛋白質 / シトクロムb562-DNA複合体 / 電子伝達タンパク質 / 蛋白質-DNAハイブリッド分子 / 自己組織化 / 金属ポルフィリン置換体
【研究成果の概要】
本研究では、電子伝達性蛋白質分子、光応答性蛋白質分子を材料として、2次元的、3次元的格子構造や環状構造などの超分子構造を自己組織的にかつ配向性を制御して構築する汎用的技術の開発を目的とする。この技術の開発により様々な機能性蛋白質分子を要素とする構造制御されたバルク機能性材料創製研究分野の展開につながることが期待される。具体的には、大腸菌由来の電子伝達性蛋白質であるシトクロムb562、蛍光蛋白質GFPやその変異体などの蛋白質を対象として、これらの蛋白質に部位特異的に1本鎖DNAを化学的に修飾し、2本鎖DNAの相補的な結合性を利用して分子配向性を制御しつつ、これらの1本鎖DNA修飾蛋白質をその酸化還元電位の順に積層化し、その電気的、光学的材料特性を評価することを目的とした。
本年度は、昨年度に作製した種々の金属ポルフィリン-DNA複合体と1本鎖DNA修飾アポシトクロムb562を再構成することによりZnポルフィリン置換シトクロムb562-DNA複合体、Mgポルフィリン置換シトクロムb562-DNA複合体など種々の酸化還元電位を有するシトクロムb562-DNA複合体を作製した。次いで、金電極あるいはITOなどの半導体電極上に1本鎖DNAを化学的に修飾し、これと相補的な1本鎖DNAで修飾したシトクロムb562-DNA複合体を自己組織的に結合させ、分子配向を制御しつつシトクロムb562-DNA複合体の積層膜の作製を行った。また、シトクロムb562と蛍光蛋白質GFPの融合蛋白質を遺伝子工学的に作製した。この融合蛋白質のGFP由来の蛍光の寿命は、GFP単独の場合の蛍光寿命と比較して約1/4となり、GFPから鉄ポルフィリンへの分子内光エネルギー移動あるいは電子移動が起こっている可能性が示唆された。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
神谷 典穂 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
喜多山 篤 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】萌芽的研究
【研究期間】1999 - 2000
【配分額】2,200千円 (直接経費: 2,200千円)