テングザルの前胃内微生物叢の種内変異と適応的意義
【研究分野】生態・環境
【研究キーワード】
前胃 / テングザル / コロブス / 反芻 / 前胃内細菌 / 霊長類 / シロアリ / 微生物
【研究成果の概要】
本研究の目的は、多様な植生環境に棲むテングザル(前胃発酵霊長類)が、単調な植生に棲むものに比して、より多様な前胃内微生物叢を有すことを明らかにすることである。2年間のプロジェクト内に、野生個体4、半野生個体1、飼育個体1の合計6個体より前胃の内容物の収集に成功し、分析を行った。その結果、牛のルーメンなどの偶蹄類に共生し、セルロース分解を行っている細菌を多数検出した。また、前胃内微生物叢の多様度が、テングザルの生息環境によって大きく異なることを発見した。加えて、前胃内容物をもちいた酵素活性実験から、前胃内微生物がヘミセルロースを中心に植物細胞壁の分解を行っていることも示唆された。
【研究代表者】