サンゴの生殖と群体形成過程に関する基礎的研究
【研究分野】動物形態・分類学
【研究キーワード】
サンゴの有性生殖 / サンゴの無性生殖 / サンゴの群体形成 / サンゴ骨格の微細構造 / サンゴの骨格形成 / クサビライシの傘離脱機構 / フトウネタケの受精 / フトウネタケの初期発生 / サンゴ / 生殖 / 骨格構造 / 破片の生存
【研究成果の概要】
1.アザミサンゴの群体内におけるポリプの成長率、線成長量等を比較し群体の成長様式をしらべた。ヌアザミサンゴ,ハマサンゴ,ハナヤサイサンゴの生殖様式を明らかにし、生殖期解明の基礎を整えた。
2.ハナヤサイサンゴの幼ポリプの組織や骨格の微細構造を透過・走査両顕微鏡でしらべて造骨組織の骨格形成過程を明らかにした。
3.ミドリイシの骨格の再生過程を走査電顕で観察し、結晶体の動きを明らかにし、さきに発表した正常な骨格形式過程と比較した。またウミトサカの骨片形成における糖タンパク質の結晶核としての役割についてもしらべ、肯定的結果を得た。
4.クサビライシの傘が柄から分離する過程を走査電顕でしらべ、造骨組織の結晶が粉末化して崩壊することを明らかにし、造骨組織の酸分泌によるものと推定した。また傘が柄から分離する力学的条件もしらべ、骨格の粉末化の進行とともに傘を分離する力が小さくなることを明らかにし、粉末化が重要な過程であることを確かめた。
5.フトウネタケを雌雄異体サンゴの代表として、その受精・卵割・幼生形成の諸過程を明らかにし,幼生の定着後16日で触手の羽状分枝3対をもつに至った幼ポリプが形成された。アザミサンゴについても人工受精、幼生の変態過程を観察した。
6.アザミサンゴの形態形成過程の一環として、スィーパー触手の形成、その際の刺胞の変換についてしらべた。刺胞は細長く刺糸のシャフトの長いbasitrich型から、太い刺胞嚢と短いシャフトのMbM型へ変換した。両者は中間型でつながるので、b-rhabdoid型と総称することにした。
【研究代表者】