α-ヒドロキシ酸を利用した微生物による有用ペプチド生産系の開発
【研究キーワード】
応用生物化学 / タンパク質工学 / バイオテクノロジー / 微生物工学 / 非天然型アミノ酸 / 人工アミノ酸 / 拡張遺伝暗号
【研究成果の概要】
申請者らはタンパク質工学と改変型微生物の融合により、微生物生体内で非天然型アミノ酸導入タンパク質を高効率で生産することを可能としてきた。
本課題ではこの手法を拡張し、微生物と非天然型アミノ酸誘導体を利用した有用ペプチドの高効率な生産系の確立を第一の目標とする。また、簡便で低コストな生産系を実現するため、微生物自身が非天然型アミノ酸誘導体を産生できるように改変することを第二の目標とする。
本研究課題では、申請者らが保持するα-ヒドロキシ酸(AHA)特異的改変型酵素や大腸菌コドン再定義株などのタンパク質工学、合成生物学的な知見や技術に代謝工学的観点からのアプローチを取り入れることにより、安価な化合物から細胞内のマシーナリーを用いて有用ペプチドを効率的に生産する系を開発することを目的とする。第一段階として非天然型の側鎖をもつAHAであるAlocLysOHと組換えタンパク質発現・精製手法を利用し通常は細菌で生産することが困難な抗菌性ペプチドの生産系の構築を目指している。大腸菌コドン再定義株を用いたAlocLysOHの導入法については確立している。具体的な抗菌ペプチドのターゲットを選定し、発現コンストラクトについても複数のパターンを設定して検討を行った。ペプチド-キャリアタンパク質の融合体を封入体として発現し、可溶化、塩基性条件下での切断、ニッケルカラムによるキャリアタンパク質除去を行い精製ペプチドを得る手法について一定の目処がついた。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)