2価チタン反応剤を用いる実践的精密有機合成反応
【研究分野】合成化学
【研究キーワード】
2価チタン / ベンジルチタン / ピリジニルチタン / スルホニルトリル / スチレン / フェノール / フルベン / 共役オリゴマー / ジエン / カップリング / メタル化 / 有機チタン / アセチレン / ピリジン / スルホニルニトリル / 不斉合成 / レッペ反応
【研究成果の概要】
2価チタン反応剤の反応特性を活用した合成手法を開発した。すなわち、
1)内部アセチレン、末端アセチレンとプロパルギルブロマイドからベンジルチタン化合物の合成に成功した。得られた化合物のチタン-炭素結合の反応を利用して種々の多置換ベンゼン誘導体の合成を行った。
2)内部アセチレン、末端アセチレンそしてスルホニトリルからピリジニルチタンを合成し、その反応性を用いて各種ピリジン誘導体を合成した。
3)ヨードエンインの効率的な合成法を開発し、これを合成素子としてエンイン、エンジイン、ヘテロ芳香環-エンインそしてヘテロ芳香環-エンジイン骨格を有すπ-共役オリゴマーの合成に成功し、その光学的特性を明らかにした。
4)1,4-ジヨード-1,3-ジエンの簡便な合成に成功し、その選択的反応を見出した。すなわちクプラートの反応が位置選択的にトリメチルシリル基をビニル置換基とする位置で反応すること、またマグネシウムアート錯体によるメタル化反応がビニルヨウ素部位のβ-位の置換基の有無によってコントロールされ、ほぼ100%の選択性で起こること、さらにはパラジウム触媒を用いるグリニャール反応剤の反応も位置選択性高く進むことを見出した。
そして、これらの反応を利用し、多置換共役ジエン、フェノール、スチレンそしてフルベンの簡便合成法の道を拓いた。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2003 - 2004
【配分額】14,400千円 (直接経費: 14,400千円)