斬新な配位子の設計とそれらを利用した新規高配位有機ヘテロ元素化合物の創製
【研究分野】有機化学
【研究キーワード】
3配位1,2-ヨードキセタン / T字型ヨーダン構造 / 4座配位子 / アンチアピコフィリック構造 / 5-カルバホスファトラン / デンドリマー型置換基 / 5配位ジフルオロシリカート / X線結晶構造解析 / m-テルフェニルユニット / 5配位トリフルオロシリカート / 三方両錐構造 / 3配位ヨードキセタン / アンチアピコフィリック / 熱分解反応 / 高配位有機ヘテロ元素化合物
【研究成果の概要】
1.3配位1,2-ヨードキセタンの合成についてはまず、(Z)-1,1,1,6,6,6-.ヘキサフルオロ-3-ヨード-2,5-ビス(トリフオロメチル)-3ヘキセン-2,5-ジオールを合成した。これをt-ブチルハイポクロライトを用いて酸化的環化させることにより、目的の3配位1,2-ヨードキセタンを合成することに成功した。X線構造解析を行ったところ、酸素をアピカルに、炭素と二つの非共有電子対をエクアトリアル位に持つ三方両錐のT字型ヨーダン構造を持つことが分かった。2.4座配位子の開発とそれを用いたホスホランの合成についてはまず、4,4´,4"-トリ(t-トブチル)-2,2´,2"、トリメトキシトリフェニルメタノール(Ar_3COH)を合成し、トリエチルシランを用いて還元し、n-BuLiを作用させ、リチオ体Ar_3CLiとした。これをPcl_3と反応させ、加水分解したところ、相当するホスフィン酸Ar_3CP(O)HOHが得られた。ISi(CH_3)_3を作用させ、脱メチル化反応を行ったところ、新規な4座配位子をもつ1-ヒドロ-5-カルバホスファトランの合成に成功した。X線結晶構造解析により、アンチアピコフィリックな三方両錐構造を持つことが明らかになった。3.m-テルフェニルユニットを基盤とするデンドリマー型置換基の開発と5配位ケイ素化合物の合成については、まず、1,3,5-トリブロモ-2-ヨードベンゼンから臭化2,2",6,6"-テトラメチル-m-テルフェニル5´-イル(DenBr)を合成した。次に、これをリチオ化しSiCl_4と反応させ、Den_4Siを合成した。これをDen_3SiOH、Den_3SiClに変換後Den_3SiFとした。これをトルエン中、[2.2.2]cryptand存在下、KFと作用させることで相当する5配位ジフルオロシリカートの生成を確認した。以上のように本研究は計画通り遂行できた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
狩野 直和 | 東京大学 | 大学院・理学系研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
後藤 敬 | 東京大学 | 大学院・理学系研究科 | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2000 - 2001
【配分額】45,940千円 (直接経費: 41,500千円、間接経費: 4,440千円)