ビッグバンの起源を探る-最先端の超伝導技術と史上最大の望遠鏡群で挑むCMB測定
【研究キーワード】
宇宙マイクロ波背景放射 / インフレーション / 超伝導 / 宇宙マイクロ波背景放
【研究成果の概要】
我々は、ビッグバンの起源として有力とされる初期宇宙インフレーションを探るべく、史上最大の宇宙マイクロ波背景放射観測用望遠鏡群となるSimons Observatory実験を遂行している。本研究においては、この実験でインフレーションの信号が現れるとされる大きな角度スケール(2~10度)での測定精度を大幅に改善する「連続回転式低温半波長板」を中心とした研究開発を行う。具体的には、Simons Observatoryによるインフレーション探索の成否を決める低温半波長板システムを作成し、また半波長板システムに焦点を当ててデータ解析を行い、解析手法を確立する。
3年度目においては、日本で作成した二台目の半波長板システムをSimons Observatory2台目望遠鏡へ統合し、統合テストを行なった。また、一台目半波長板システムの評価を進めると共に三台目半波長板システムの作成も順調に進み、熱的安定性や機械振動などに関しても新しい知見を得ることができた。
半波長板光学素子であるサファイアおよびその防反射加工に関しても大きく研究が進展した。
【研究代表者】