アルマ望遠鏡テラヘルツ分光ビッグデータで解明する、衛星タイタンの大気化学
【研究キーワード】
電波天文学 / 大気化学 / 大気物理 / リモートセンシング / テラヘルツ / ビッグデータ / 逆問題 / 最適化問題 / アルマ
【研究成果の概要】
世界最大のテラヘルツリモートセンサであるアルマ干渉計を用い,探査機に比肩する大気リモートセンシング技術基盤の開発・検証と,これを用いた大気化学過程研究を行った.研究成果として特に重要であるのは,土星衛星タイタンにおけるアセトニトリル分子中の窒素同位体の導出である.得られた値は窒素分子と調和的であり,アセトニトリルが銀河宇宙線解離を経て窒素分子から直接生成されている可能性が示された.
【研究の社会的意義】
近年,地上大型望遠鏡の技術革新により,太陽系外惑星大気の組成までもが観測的に明らかにされつつある.翻って,太陽系内惑星大気の観測的研究は,ボイジャーやカッシーニといった探査機によりブレイクスルーがもたらされてきたが,探査機の利活用の機会は極端に限定されている.本研究では,特に太陽系外天体の観測において用いられてきた地上大型電波望遠鏡を太陽系内惑星大気の観測においても利活用することで,探査機に比肩する大気化学・大気物理観測の基盤技術開発と,これを用いた惑星大気環境の解明という成果を上げてきた.今後は本研究を基盤として,タイタン・海王星の大気環境をさらに詳らかにしていく.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)