ランダムネスの強い量子格子模型に対する大規模シミュレーション手法に関する研究
【研究分野】数理物理・物性基礎
【研究キーワード】
計算物理 / 量子格子模型 / ランダムネス / 磁性 / 長距離相互作用 / 量子スピン系 / 量子モンテカルロ法 / 並列計算 / 統計物理学
【研究成果の概要】
本研究課題の申請時に掲げた研究目標は以下の5点である.1)ランダム量子格子模型のための新たな量子モンテカルロシミュレーションの手法の開発とその応用.2)ランダムネスをもつ量子格子模型を定義するためのXML言語,およびC++クラスライブラリの開発.3)様々な物理量の分布などを効率良く測定・解析するためのC++クラスライブラリの開発.4)超並列スーパーコンピュータや分散計算機環境を利用したシミュレーションのための計算資源管理システムの構築.5)ランダム系のシミュレーションから得られる膨大な量の出力データを保存・検索・解析するためのアーカイブシステムの構築.1)については,磁気双極子相互作用やRKKY相互作用など一般の長距離相互作用を持つスピン系に対する0(N)モンテカルロ法,空間的/スピン異方性の強い量子スピン系に対するBethe型の鎖間平均場近理論や改良された多体Green関数法を開発した.さらに連続虚時間ループアルゴリズム量子モンテカルロ法を用いた大規模シミュレーションにより,非磁性スピンギャップ状態を持つ量子スピン系に対する不純物の効果を明らかにした.2),3),4)については,量子格子模型の大規模シミュレーションのためのALPSフレームワークを拡張し,またランダムネスの強い系に対する大規模並列モンテカルロシミュレーションのための新たなスケジューラALPS/parapackの設計・開発を行なった,さらに5)について,計算パラメータおよび計算結果を蓄積するデータベースシステムを開発・構築した.また,データベースにアクセスしデータの登録および可視化のためのデータ検索・抽出をおこなうためのインターフェイスの整備を行なった.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2006 - 2007
【配分額】2,630千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 330千円)