電子EDM探索のための冷却分子の研究
【研究分野】素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
【研究キーワード】
実験核物理 / 量子エレクトロニクス / 原子・分子物理
【研究成果の概要】
レーザー冷却技術を用いて原子・分子で電子の電気双極子能率(EDM)を10-29 e cm まで測れば超対称性粒子の探索が可能である。そこで、我々は、強い内部電場0.8 GV/cm を持つLiSr 分子実験を提案した。本研究では、原子数増大のため、レーザー冷却のリポンプ遷移の原子構造の解明、高安定なレーザー光源の開発、堅牢で高安定な波長変換システムの開発に成功した。理論計算により、LiSr分子の有効電場の精密な計算に成功し、2.0 GV/cmへと改善された。
【研究の社会的意義】
本研究で得られた成果は、第1には、レーザーシステムの高安定化である。レーザー冷却実験では、複数のレーザー光の周波数を、50億分の1以下のレベルで制御する必要がある。本研究では、波長497 nm(青緑色)のレーザー光は50億分の1以下、689 nm(赤色)のレーザー光は1兆分の1以下に制御することに成功した。また、理論計算により、LiSr分子を用いると電子EDMが、原子の場合と比べて2000倍以上に増幅されることを明らかにした。これらの技術と理論計算を融合させることで、今後、電子EDMの感度を向上させることができる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
梶田 雅稔 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 | グローバル推進部門 | 嘱託 | (Kakenデータベース) |
阿部 穣里 | 首都大学東京 | 理学研究科 | 助教 | (Kakenデータベース) |
酒見 泰寛 | 東京大学 | 大学院理学系研究科(理学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)