ALICE GEM-TPCを実現する連続読出型データ収集解析基盤の開発と実装展開
【研究キーワード】
高エネルギー原子核衝突 / DAQ / FPGAアクセラレーション / 粒子検出器 / ALICE / データ収集系 / ビッグデータ / QGP / LHC
【研究成果の概要】
本研究の目的は、CERN-LHCのALICE実験における連続読み出し型GEM-TPCの実現に欠かせない、大規模FPGAを用いた前段データ処理システムを開発し、さらにその成果を将来の大規模物理実験において応用・発展させるための基礎をつくる事である。
2021年度は、(1) TPCのデータ処理アルゴリズムの前段FPGA(Arria 10)への実装・展開・試運転[大山・郡司]、(2) シミュレーションによるアルゴリズムの評価[大山]、(3) 多数FPGAの設定・制御・モニタリングシステムの開発[大山]、(4) XILINX Alveo U50 FPGAアクセラレーションボードをターゲットとしたクラスタリングアルゴリズムの実装テスト[長名・大山]、および (5) ALICEの次期検出器FoCalにおけるこれらの技術の応用[大山]、といった5項目に関して研究を推進した。
(1)~(3)は概ね完了し、ALICE実験施設内のデータ収集クラスタに開発したファームウェアを実装し、一連のデータ収集・制御・モニタリングのテスト行った。また、GEANT物理シミュレーションにより生成した模擬検出器データを用い、開発したアルゴリズムの多くが鉛-鉛中心衝突によりTPC内の粒子多重度が極端に多い場合でも破綻しない事を確認した。まだ確認できていないアルゴリズムに関しては今後引き続き調査を継続する。
(4)に関しては、HLS(High Level Synthesis)技術によってTPCのクラスタリングアルゴリズムを記述し、U50に搭載されたシリアル入力に対して100 Gbpsのリンク速度でデータを入力し即時処理する事が出来ることを確認した。
(5)として、FoCalのデータ収集・トリガ系において、本研究で開発している技術を適用するための基礎的情報収集および協力体制の構築に向けた海外関連機関との協議を行った。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
長名 保範 | 琉球大学 | 工学部 | 助教 | (Kakenデータベース) |
郡司 卓 | 東京大学 | 大学院理学系研究科(理学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】44,460千円 (直接経費: 34,200千円、間接経費: 10,260千円)