遠赤外分光法によるナノスケール金属超微粒子の電子状態の研究
【研究分野】固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
【研究キーワード】
金属ナノ粒子 / 有機保護材 / ナノ粒子2次元超格子 / 遠赤外分光 / Pt超微粒子 / Au超微粒子 / ポリ(N-ビニル-2-ピロリドン) / ポリアクリロニトリル / ドデカンチオール / 粒径制御 / 遠赤外分光法 / 電子状態 / 有機配位子
【研究成果の概要】
本研究の最大の成果は、有機保護剤を用いることによって単分散に近い近い白金、パラジウム、金ナノ粒子を合成する事に成功し、その上これらの配列に成功したことである。白金・パラジウムではポリアクリレート(PAA)やポリビニルピロリドン(PVP)、金についてはドデカンチオール(DT)系保護剤でナノ粒子を囲みこむことによってこれらのナノ粒子の安定化に成功し、金ナノ粒子については、これらを2次元的に配列させることにも成功した。さらに、Fe^<2+>イオンによる配位子間架橋錯形成を利用した金ナノ粒子二次元超格子および三次元集合体を作製した。
一方、物性的には磁気的測定および分光学的手法によって新たな知見を得た。強磁場磁化測定からは、ナノ粒子あたりの磁化が従来の理論では説明できないほど大きいことを明らかにした。これらの金属ナノ粒子を用いた遠赤外スペクトルの測定は、KBrあるいはポリエチレンのペレットに分散させた試料による測定を行った。それによると、遠赤外領域に、有機保護剤には帰属できないいくつかのピークが見出され、これらは金属ナノ粒子由来のものであると帰属された。現在、3次元井戸方ポテンシャルあるいはWoods-Saxon型ポテンシャルを用いた量子力学的計算によるエネルギー順位計算との比較を比較を行っている。
【研究代表者】