データ駆動型社会の基盤をなす次世代実験計画技術の開発と実証的評価
【研究キーワード】
データ駆動型社会 / 機械学習 / 人工知能 / 実験計画 / 因果推論
【研究成果の概要】
本研究では,以下の3つの基本的課題を設定し,研究に取り組んでいる.
1.(機械学習モデルの設計) 施策の最適化を目的とした実験計画のために,「機械学習に基づく統計モデル」を「追加実験によるデータ取得」と「施策の最適化」に結び付けるプロセスの全体像,及び,効果的な実験計画を可能とする機械学習モデルを如何に設計すべきか.
2.(効率的な追加実験の計画手法構築)大規模ログデータから構築された統計モデルが与えられたもとで,最小限の回数で最適施策の探索に結び付ける,効率的な追加実験を如何に計画することが可能か.
3.(施策の最適化と因果効果の評価手法の開発) 大規模データから得られた統計モデルと実験データを統合し,どのような方法で施策を最適化するか.加えて,共変量やデータの選択バイアスを考慮し,施策の因果効果を精度よく評価することが可能であるか.
2021年度は,これらの研究課題に関連する領域として,“能動学習”,“ベイズ最適化”,“バンディッドアルゴリズム”,“因果推論”の領域の体系的整理を行う研究会を定期開催し,その全体的な体系の明確化と問題点の整理を行った.これと並行して,「1.機械学習モデルの設計」については継続して企業の実問題を対象として研究を行い,様々な具体的事例に対して機械学習モデルを活用する技術基盤についての成果を得ている.また,「2.効率的な追加実験の計画手法構築」については,過去の大量のログデータを学習した機械学習モデルを活用して,いくつかの仮説のもとにA/Bテストを計画し,実ビジネスにおいて実証的に検証する試みを行った.今のところ,完全に再現性のある結果は得られていないが,様々なノウハウが蓄積されたため,今後の研究に結びつける予定である.「3.施策の最適化と因果効果の評価手法の開発」については,ベイズ最適化と因果推論モデルの実活用と改良を行い,一定の成果を得ている.
【研究代表者】