非整数階偏微分方程式に対する逆問題と関連課題
【研究キーワード】
非整数階偏微分方程式 / 混合型非整数階微分 / 一意存在 / 逆問題 / 一意性 / 安定性
【研究成果の概要】
まず、単独の時間について非整数階の微分項を持つ非整数階偏微分方程式を対象とし、解の一意存在性・漸近挙動などの基本性質を明らかにしていった。時間微分の項が古典的なものと大きく異なり作用素論的な扱いを要するので、そのための偏微分方程式論的な方法論を考えて確立を目指した。次に、そのような基礎理論に基づき、係数や非整数階微分の階数など現象を規定する重要なパラメータを解の観測可能なデータから決定するという逆問題における一意性や安定性などの数学解析に関してを考察を進めた。非整数階偏微分方程式は、モデル方程式として応用分野でもその数学解析が求められており、本研究はそのような要請に応える数学解析の成果を目指している。さらに混合型の非整数階微分を持つ偏微分方程式にも研究対象を広げた。本研究による成果を用いて、産業界・環境問題に関連する逆問題の解決に寄与していくことに努め、応用面からのフィードバックにより、非整数階偏微分方程式に対する数学解析を深化させることを目指した。
【研究代表者】
【研究種目】特別研究員奨励費
【研究期間】2020-11-13 - 2023-03-31
【配分額】2,200千円 (直接経費: 2,200千円)