保存則系の粘性及び緩和モデルの時間大域解とその漸近挙動に関する研究
【研究分野】基礎解析学
【研究キーワード】
保存則 / 境界層 / 粘性衝撃波 / 粘性接触波 / 半導体 / 量子流体モデル / 消散型波動方程式 / 半導体方程式 / 定常解 / 漸近安定性 / 量子ドリフト-拡散方程式 / 分散型波動方程式 / 大規模力学系 / 保存則系の粘性モデル / 保存則系の緩和モデル / 圧縮性粘性流体 / 時間大域解 / 漸近挙動 / 接触不連続 / 非線形消散型波動方程式 / 接触不連続波 / 電子ドリフト-拡散方程式 / 非線型分散型方程式 / シュレディンガー方程式 / 大自由度の力学系
【研究成果の概要】
1.圧縮性粘性流体の空間一次元等エントロピーモデルに対する半空間上での初期値境界値問題の解の漸近挙動を考察し、境界上で流れ込みが有る場合、境界層解と粘性衝撃波や希薄波との重ね合わせが漸近安定であることを示した。境界上で流出がある場合にも境界層解の存在とその漸近安定性を示した。一次元理想気体モデル(3×3システム)に対する半空間上での初期値境界値問題を考察し、粘性的接触波の漸近安定性を自由境界の境界条件の下で示すことに成功、さらに、初期値問題についても粘性的接触波の漸近安定性を初期擾乱の平均ゼロの条件の下で示すことに成功した。空間多次元については、外力項を持つ圧縮性ナビエストークス方程式の等エントロピーモデルに対する球対称解の漸近挙動が、同方程式の定常解によって与えられる事を示した。
2.半導体中の電子流を記述する一次元量子流体力学モデルの初期値境界値問題を考察し、任意のドーピングプロファイルに対して定常解の存在と漸近安定性を示すことに成功した.高次元については、定常解の数値解を求める高解像な反復計算手法を開発した
3.細密媒質中の1次元圧縮性流をモデルとする方程式系の解の漸近挙動を考察し、ある放物型方程式の解である散逸波への正確な漸近の速さを導いた。
4.臨界幕以下の非線形項を持つ非線形分散型及び消散型方程式の解の漸近的振る舞いについての研究をおこない、消散型波動方程式については解がある熱方程式の自己相似解に近づくことを示した。また、分散型波動方程式に関しては、線形解が持つ固有振動数と非線形項が持つ固有振動数の共鳴,非共鳴現象が非線形問題の解にどのような影響を与えるかについて新たな結果を得た。
【研究代表者】