日本の経済外交の全体像とその歴史的検証、理論的モデルの提起
【研究キーワード】
戦後日本外交 / 経済外交 / 援助 / 地球環境 / 経済制裁 / 国際レジーム / 国際規範 / 相互依存 / 国際関係理論 / 国際政治経済 / 政策思想 / 政策アイディア
【研究成果の概要】
経済外交は日本外交の重要な構成要素であるにもかかわらず、その研究は停滞しており、近年の多様化、複雑化した現象を捉えられていない。その背景には、理論的・歴史的分析枠組みの不足という問題もある。そこで本研究では、従来の理論やモデルを再吟味するとともに、適切な分析枠組みを模索し、経済外交の新たな展開と従来の重要な局面の様相を解明し、それらの規定要因を分析した。
【研究の社会的意義】
学術的には、日本外交に関する研究は多いが、重要な要素である経済外交の研究が低迷しているため、その補充を試みた。経済外交の1990年代以降と従来の重要な局面について、外交文書やインタビューをはじめとする史料・資料を用い、事象の再構成を図った。同時に、適切な分析枠組みが欠けていたため、理論的・歴史的知見を踏まえて、折衷主義的な包括的分析枠組みを検討した。社会的には、この作業が日本外交の全体的構図を把握し、外交上の自画像を描き出す一助になろう。また、日本が経済力の相対的衰退に直面する中で、経済外交の側面から従来の成果と限界の要因を浮き彫りにし、今後の対応を検討する際の素材を提供しうると考えられる。
【研究代表者】