プレ-ポストオリンピック期東京における世界創造都市の積層と接続に関する比較社会学
【研究キーワード】
創造都市 / オリンピック / コンタクトゾーン / メガイベント / 国際比較 / コンタクト・ゾーン / ジェントリフィケーション / クリエイティブ・シティ / カルチュラル・ヘリテージ / カルチュラル・スタディーズ / グローバリゼーション / 世界創造都市
【研究成果の概要】
令和元年度以来、若手研究者チームと分担研究者チームの2つが並行して研究会と議論を重ねてきた。特に若手研究者は、「ポスト2020の東京をいかに考えるか」という問題意識から、上野・秋葉原・神保町という都心北部地域における都市の変容を探究してきた。しかし、2020年3月に新型コロナウィルス感染症の拡大が深刻化し、実際の都市のフィールドでの調査研究や対面での研究会開催がきわめて困難になった。試行錯誤の後、本プロジェクトでは、もともと2020年3月に実施するはずだった国際シンポジウムをオンラインで開催することにし、同年11月14日、オンライン国際シンポジウム「東亰新論:オリンピックの後にあったもの」を、日英2か国語で開催した。このシンポジウムには、米国からワシントン大学のケン・オオシマ教授、英国からロンドン大学のマイク・フェザーストン教授とトモコ・タマリ講師、台湾の東海大学から蘇睿弼教授にご参加いただき、それぞれ基調講演をしていただいた。これらの他、本プロジェクトの若手研究者チーム全員から、それぞれが進める研究の報告が行われ、それをめぐって研究分担者の先生方に加わっていただき、本研究プロジェクトと連携する「東京文化資源会議」の実践事例との関連について議論が重ねられた。会議の記録は、「東京文化資源会議」のホームページで公開された。
以上の他、コロナ禍のなかで迷走する東京オリンピックに関しては、国内外のメディア報道について資料の収集を進めた。これらの資料は、2021年夏の開催を経て、分析されることになる。さらに、研究代表者の吉見は、戦後東京と東京五輪の関係を社会学的視座から総合的に捉え直す著作として『五輪と戦後――上演としての東京オリンピック』(河出書房新社)を出版した。同書は、このプロジェクト全体の基礎となるものである。
【研究代表者】