電気インピーダンストモグラフィーの高度化に関する研究
【研究分野】広領域
【研究キーワード】
インピーダンストモグラフィー / ニューラルネット / 磁気併用四電極法 / セグメンテーション / 動的正則化 / 逆問題 / 不適切問題 / 血流脈波 / MR援用デコンボリューション / Impedance Tomagraphy / Neural Networks / Blood Flow / Inverse Problcins / Tetrapolar Method / Imaging
【研究成果の概要】
今日、X線CTやMRIなどの断層像撮影装置が医用診断のなかで果たす役割には計り知れないものがあるが、特に長期間にわたってモニタリングが必要な患者の経時的病変の記録や、心理負荷の変動に伴う脳内血流動態の計測といった目的にはより簡易な測定・観測技術の開発が望まれている。本研究で対象とする電気インピーダンストモグラフィー(EIT ; Electrical Impedance Tomography)は生体断面内の導電率分布を、体表面からのインピーダンス計測の結果から逆問題を解くことによって推定する方法で、体の深部の浮腫の状態、水頭症等のモニタリング、血流動態の観察、膀胱内尿量監視といった水分の移動に関する情報や、骨折の治癒過程のモニタリングなどにも大きな役割を果たしうるものである。
本研究では、ニューラルネット表現をした逆問題解析アルゴリズムをもとにインピーダンストモグラフィー像再生技術の高解像度化及び高速化を進めるとともに、我々のグループで開発した磁気併用四電極法にもとづき、血流脈波などに伴う局所インピーダンス波形を高い時間分解能で得る技術の開発という2つの大きなテーマについて理論的ならびに実験的検討を行った。
特に高解像度化の試みでは、像再構成アルゴリズムをニューラルネットの枠組みの中で実現することにより従来のバックプロパゲーション法に比して高い精度で像の再構成が可能になった。また、逆問題解法の中でしばしば生じる不適切性を回避するために、対象とする問題固有のアプリオリ情報を活用する方法について、フーリエ級数を用いた界空間の限定法を提案し、水槽実験等によりその有効性を確認した。また、画像の二次処理については、動的正則化による解空間の限定、MR援用デコンボリューション法等を提案し、その有効性について基礎的な検討を行うとともに、GAを用いたMR画像セグメンテーションなど、各要素技術の確立をも行った。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
亀山 啓輔 | 東京工業大学 | 大学院・総合理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
竹前 忠 | 静岡大学 | 工学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】1995 - 1996
【配分額】10,500千円 (直接経費: 10,500千円)