ゲルロボットの研究(電場応答性高分子ゲルの形状設計と運動制御)
【研究分野】知能機械学・機械システム
【研究キーワード】
電場応答性高分子 / ゲル / ロボット / シミュレーション / 形状 / 設計 / 運動 / 制御 / 柔軟 / 変形 / モデル
【研究成果の概要】
本研究で得られた研究成果は次の通りである。
1.大変形するゲルロボットの形状設計手法
変形の特異性を実現するために、表面に微細な凹凸を持つ平板状の型を作り、型にゲル材料を流し込んで表面にひだをもつゲル成型する手法を確立した。表面にひだをつけたゲルは、伸張する面のひだの方向に沿って曲がりやすくなり、変形の方向性を形状により設計可能となることを明らかにした。
2.電界制御による変形予測モデルの構築
ゲルの持つ能動的および受動的な変形特性をモデリングする手法を提案し、この手法に基づいてシミュレータを実装し、アレイ状電極裟置により生成する2次元空間分布電場内におけるゲルの変形シミュレーションを行った。電場を適切なタイミングで平行移動することにより、ダイナミックな運動を生成することができることを明らかにした。
3.ゲル連続体の形状を制御する電場制御システムの開発
大変形を生じる駆動電場の条件を明らかにするために、電場の空間分布を制御可能な多電極駆動装置を開発し、空間分布を少しずつ変化させた場合の変形応答性を詳細に計測し、シミュレーション結果と比較し、モデルの正当性を検証した。
4.軟体動物状ゲルロボットの変形と運動制御の実現
総合実験として、触手状ゲルの巻きつき運動生成実験、およびヒトデ型ゲルロボットの表裏反転運動制御実験を行い成功した。長さ24[mm]の触手状ゲルが直径4[mm]のスペーサを一周巻きつけるのに180[s]、直径15[mm]のヒトデ型ゲルロボットが反転するのに50-60[s]を要した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
國吉 康夫 | 東京大学 | 大学院・情報理工学系研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2001 - 2002
【配分額】12,600千円 (直接経費: 12,600千円)