次世代インテリジェントテキスタイルの創製とウェアラブルシステムへの応用
【研究キーワード】
インテリジェントテキスタイル / ウェアラブルシステム / めっき / 高次構造
【研究成果の概要】
次世代インテリジェントテキスタイルを実現するために、超臨界二酸化炭素を用いた触媒化技術によるフレキシブルセンサー用触媒電極としてのPETフィルムの機能化が実現した。また、白金は生体適合性のある金属だが、ポリマー材料の白金メタライゼーションは難しいことが知られている。超臨界二酸化炭素を用いた触媒化技術により、PETと白金の統合が実現された。この白金被覆したPETフィルムについて、SEM観察により表面の状態を明らかにし、さらに高次構造解析を固体NMR法により詳細に行うことにより、触媒化とめっき処理による構造変化に関する知見を得た。また、センシング、光触媒による抗菌・抗ウイルス性、および身体情報提示の各機能を有するインテリジェントウェアラブル材料の基布となる各繊維を用いて、全反射測定法によるフーリエ変換赤外吸収スペクトル測定などにより、比較のための材料表面情報を得た。また各機能性ウェアラブル材料の安全性評価のための予備検討を進めた。
導電性に優れたスマートテキスタイルを情報処理技術と組み合わせることで、日々の暮らしを見守ったり日常生活を豊かにするインタフェースとして構築する研究に取り組んだ。特に、乳がん患者支援や水難事故防止といった、問題解決が困難な事象にもスマートテキスタイルを用いたシステムが役立つ事を示した。また、その成果を生かし、技術の国際標準化や啓蒙活動にも貢献することができた。
導電性繊維のウェアラブルヒータとしての応用にむけ、温度勾配のある面的な刺激の有効性を評価し、一様な刺激よりも効率良く温感を提示しうることが示唆された。また、筋電気刺激用ウェアラブル電極としての応用に向け、姿勢維持の補助デバイスとしての効果を確認した。さらにに、月経痛の再現デバイスとして、実際の月経痛よりも腹部の浅い位置ではあるが同等の強度を提示しうることを確認した。
【研究代表者】