動脈血管内皮機能の新たな測定評価手法の開発とその応用
【研究キーワード】
血管内皮機能性 / 評価手法開発 / 運動 / 評価手法 / 動脈血管内皮機能 / 測定評価 / 動脈硬化 / 身体運動
【研究成果の概要】
本研究で開発・提案予定の血管内皮機能測定方法を,SS(sustained stimulus)-FMD法と呼ぶ。同法開発において根幹をなす検討課題である,ステップ状な一定SR(Shear Rate)刺激を実現する手技として,初年度では,掌握(HG)運動による実現の可否を検討して,一定の有効な手法であることを確認した。今年度は,当初の計画通り,一定SR値によるステップ入力を,温熱刺激とカフ圧操作を併用する手技で実現する方法の開発にとりかかった。具体的には,まず HG運動による場合と同様,5段階程度のSR(50~150)に相当する平均BV(= SR・D)を各被験者で事前に決定しておいた。被験者の前腕部(肘下にカフを装着)を恒温水槽(40℃温水)内で静置し,前腕部カフ圧を200 mmHgに一気に加圧し阻血したまま静置した。15分経過後,実験者はカフの弁を少し開放して阻血を部分解除し,ドップラ測定装置画面上にリアルタイム表示される平均BV表示が,SR:50に相当するBV値に一致,保持できるよう圧制御を操作し3分間維持した。その後,カフ圧を一気に加圧し阻血状態に戻して5分間維持した後,再び1回目よりはやや大きなカフ減圧を行い,SR:75相当なBVになるように圧制御を操作した。このような操作を繰り返すことで5段階な一定SR刺激を実現した。被験者は健常な10名程度を予定していたが,コロナ禍による種々の影響で,3名しか実験を完了できなかった。なお初年度に取得したHG運動を用いた手法については,まだ解析していなかった,基準SR=75以外のSR負荷時の解析を行い,用量(SR)・反応(血管径拡張)関係がシグモイド状を示すかどうかも検討した。
【研究代表者】