コンピューターグラフィックスを用いたスポーツ認知トレーニングの開発
【研究分野】体育学
【研究キーワード】
スポーツ認知トレーニング / テニス / 予測判断・状況判断 / 注視点 / 動作解析 / 順運動学計算 / CGシミュレーション / 逆運動学計算 / コンピューターグラフィックス / 認知トレーニング / テニスサーブ / 予測判断方略 / アイマークレコーダー / テニス・ソフトテニス / 状況認知・意志決定 / CGアニメーション
【研究成果の概要】
本研究は,テニス競技における状況認知と意思決定方略をコンピュータ・グラフィックス(CG)アニメーション提示示という新規な手法を用いて検証し,さらにそれに基づいたスポーツ認知トレーニングシステムを開発することを目的とした.
平成14年度はテニスサーブ動作を高速度カメラで撮影し、3次元DLT法により身体座標値を算出した。またCG作成ソフトでモデリング作業を行い、CGアニメーションの構築を行った。平成15〜16年度は,CG映像作成システムを構築し,それに基づいて研究を進めた.ここで,本研究は1)基礎研究と2)応用研究について以下の二つのテーマにより研究が実施された.
1)テニス動作のCG提示における予測判断方略に関する研究
本研究は,テニス場面のシミュレーションシステムの構築へ向けた試みとして行っているものである.高速度カメラでテニスのサーブ動作を撮影し,この映像をもとに3次元座標値を算出しCG映像提示システムの試作すること,また作成したCG映像を評価するためにVTR映像とCG映像提示下における予測判断方略(注視活動,判断タイミング,コース予測)を比較検討することを目的とした.その結果,人間はVTR・CG両映像の特性を識別することにより視覚探査方略に違いが見られることが示唆され,またCG映像を用いた予測判断トレーニングへの重要な知見が得られた.
2)情報量の違いによる人間の認知の違い
本研究は,人間の認知的な評価の測定を行い,CG映像の情報量を変えることで人間の認知的な評価にどのように影響を与えるかを見るものである.DLT法で得られた3次元座標値を用いて,順運動学の計算により手首の動作を変調したCG映像の作成を行う.そのなかで,情報量の多い映像(スキニング映像)と情報量の少ない映像(スティックピクチャー映像)を被験者に提示して変調した動作の違いを詳細に評価した.その結果,テニスサーブ動作の認知において,視覚活動を簡略化もしくは要約することにより認知正確度が向上することが示唆された.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
須田 和裕 | 東京工業大学 | 大学院・社会理工学研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
小谷 泰則 | 東京工業大学 | 大学院・社会理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2002 - 2004
【配分額】13,800千円 (直接経費: 13,800千円)