オープン教育の学習場面における活動の評価
【研究分野】教育工学
【研究キーワード】
オープン学習 / 授業分析 / 指導案 / 小学校 / 学習集団 / 教育環境 / 教育工学 / 環境心理学 / 環境形成 / 生態心理学 / 音声映像記録 / 行動地理学 / オープン・スペース / クラスルーム・アクティヴィティ / カリキュラム開発 / 授業研究 / データベース / 学力観 / 自己学習力
【研究成果の概要】
多様なオープン学習プログラムをもつ千葉県館山市立北条小学校を中心に、授業の場面を収録し分析した。低・中・高学年のいくつかの授業の映像と音声の記録をもとに、「環境心理学」の「行動場面調査法」を適用して、一定の時間的・空間的範囲のなかで生じている活動パタンのシーケンスと空間構造を抽出した。この作業から、授業が指導案に沿った展開になっていること、また授業のデザインにおいて活動の空間構造を配慮することが特に重要であることが明らかになった。この種の学習プログラムが従来の一斉授業と異なる点は、教師も学習場面のメンバーとして活動せねばならないので、授業の展開の全てを掌握できないことである。もちろん、指導案はあらかじめ書かれるのであるが、授業がその通りに展開される保証はない。従って、第三者が教師に代わって全体をみる価値がある我々の記録はそれを行うためのものである。ある授業記録を担当教師にみせたところ、教師は終始自らの姿が記録された部分を注視し続けた。これは我々の行っている授業の多面的な記録の重要性を確認する重要な事実である。この種の授業の記録は、従来他の教師が場面に参入して、特定の児童の反応を記録する形で行われてきた。それは、教師とのインタビューで明らかになったのであるが、観察者としての教師は、授業を行っている教師と同様の視点で授業を行っている教師を注視しているのである。観察者であっても教師の目の届かない部分をみているのではないのである。従って、今後は現場の教師に我々が実施してきた授業の多面的で詳細な分析を提供すると共に、教師に授業記録の種々の部分に注目するよう提案し、また児童にもこの種の記録を提示し活動と経験の共有をはかることが重要な課題となる。さらに、学習集団の活動パタンを構成している学習者個人の行動の質や動機について考察を加える必要がある。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
梅澤 章男 (梅沢 章男) | 福井大学 | 教育学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
野嶋 栄一郎 | 早稲田大学 | 人間科学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1994 - 1996
【配分額】5,900千円 (直接経費: 5,900千円)