個人差(学習認知型)を重視した〔ビデオ〕と〔CG〕複合利用の教材研究
【研究分野】科学教育
【研究キーワード】
学習認知 / インターアクティブビデオ / コンピュータグラフィックス / 個人差 / 場独立 / 依存認知型 / インタ-アクティブビデオ / コンピュ-タグラフィックス / 場独立・依存認知型 / 学習認知型 / インタ-アクティブズデオ / 学習教材
【研究成果の概要】
本年度は、個人認知差である場独立/依存型学習者の特定を行なわず、学習者群は特に分類を行なわなかった。主な理由はGEFT(Group Embedded Figures Test)の正解数が男女を通じて高く(ceiling effect)、学習者分類に無理があると判断したためである。
また、コンピュータグラフィックスを用いた動画として俳句の教材を制作し、文字を動画として提示した。俳句学習では音節分類による学習が重要であり、5-7-5のパターンを日本語と英語で教授するときの根本的違いをアニメーション画像で提示するのは日本語学習者には非常に効果的であることが確認された。フィールドテストの結果においても、学習者の記憶、動機付けの点で期待以上の効果が得られた。合わせて俳人の静止画像を学習の過程に導入して効果を調べたが、こちらの方は学習者の興味を引くだけの結果に終った。画像の提示位置の考慮は、理論的に証明されている時計回りの情報提示を行い学習者にとって無理な負担のかからない情報処理(=学習)が行えるようにした。まず注意喚起の目的で画面左側に画像情報を提示し、右半分は文字による情報提示を行いさらにその説明もできうるかぎり10行程度までで収まるように工夫をし1ページでの情報過多を避けた。
さらにPaivioの二重符号化理論を裏付けるように俳句の音声提示を画像と同時に行ない、学習効果の上昇を確認した。情報の多重符号化の限界を調べることまではできなかったが、次の課題としては調査する意味はおおいにありそうである。
今後は昨年までの動画像の学習効果に静止画像の学習効果を加味して、さらに画像の属性(情報の定量的かつ定性的差異)について詳しく分析、調査して学習者分析を違った角度から行い、異なった学習課題について調べる予定である。
【研究代表者】