パテントプール形成の可能性と制度設計-ゲーム理論による分析
【研究分野】社会システム工学・安全システム
【研究キーワード】
パテントライセンス / パテントプール / ゲーム理論 / 交渉 / 実験 / 非協力ゲーム / 協力ゲーム / 安定集合 / 先見的安定集合 / 協力ゲーム理論
【研究成果の概要】
本年度は,2016年度、2017年度、2018年度の研究成果に基づいて研究を進め、以下の成果を得た。
(1)2018年度に、特性関数形協力ゲーム及び分割関数形協力ゲームによる定式化とコア、仁、シャープレイ値、先見的安定集合などの解による分析から得られた、すべてのパテントの保有者を包含するパテントプール形成のための条件を基に、特に、先見的安定集合による分析を中心に据え、生産に必要なすべてのパテントを包含するようなパテントプールを実現するメカニズムの具体的な設計を行った。
(2)非協力ゲームを用いたパテントプール形成の分析に対する被験者を用いた実験、計算機実験を参考にして、(1)で設計したメカニズムの有効性を検証するために、被験者を用いた実験の枠組みを構築するとともに、計算機実験を行った。
(3)(1)、(2)について、研究代表者、研究分担者、研究協力者が、国内外の大学のセミナー、学会の会議に積極的に参加し、研究成果を発表して情報発信を行うとともに、研究の方向性、困難な点への対処法などについて、情報収集、情報交換を行った。研究代表者が所属大学の管理運営のため海外渡航が難しい状況であり、研究分担者が、2019年5月26日から29日にスイスで開催された5th International Workshop on Matching under Preferences, 2019年7月2日から4日にフィンランドで開催された15th SING (European Game Theory Conference)などに出席し研究発表を行った。
【研究代表者】