SNS上のニュース「消費」がもたらすメディア・システムの変容に関する国際比較研究
【研究分野】図書館情報学・人文社会情報学
【研究キーワード】
ニュース / ソーシャルメディア利用 / 国際比較 / ジャーナリズム / メディア論
【研究成果の概要】
ここまで、コロナで対面での討論がかなわなかったが、毎月オンラインミーティングを欠かさず行い、グーグルドキュメントでシェアしながら論文を共同執筆してきた。
その結果、国際共著で合わせて、研究論文5本出版、研究発表3本(すべて査読付き)として結実し、着実に成果を上げている。
米国、イスラエル、フィンランド、アルゼンチン、日本という、世界5か国のメディア利用者へのインタビューデータをもとに、ソーシャルメディアが普及した時代のニュースの消費、メディアの利用について、包括的に探る研究となった。下記が発表した論文や学会発表の概要である。
1)若者に焦点を当て、ソーシャルメディアでどのようなニュース消費をし、さらに議論をしているのか、世界的に共通するパターンを探った論文、2)女性に焦点を当て、女性たち家庭内で活発にデジタルメディアを利用しながらも、以前として伝統的な性役割や男性中心の技術イメージに影響を受けている状況を論じた論文、3)フェイクニュースがあふれ、議論が分極化する環境が世界中に広がる中、「ニュースを忌避する人々」が問題になっている。5か国におけるニュース忌避をする行動について、文化的、メディア制度的相違を論じた論文、4)デジタル環境が浸透する中、「紙」の新聞は忘れられがちだが、実際、現在人々にどのように使われており、どう認知されているかを5か国それぞれに比較した論文、5)プッシュ機能の発達などで「ついでに読む」タイプのニュースがニュース利用にどのように影響を与えているかについて、比較検討した論文。
以上、デジタル化が進み、ソーシャルメディアが普及した時代の新たなニュースやメディア利用についての世界的状況を、メディア研究の一流国際ジャーナルに投稿し査読を通過して公表に至っている。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2021-03-31
【配分額】15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)