線形論理上の集合論のプログラム記述と検証への応用
【研究分野】計算機科学
【研究キーワード】
線形論理 / 集合論 / プログラム意味論 / GUI / Java
【研究成果の概要】
今年度は、昨年度の研究で作成したJavaアプレットPierを拡充し試験的な運用を開始した。Pierは、論理学での形式的な証明図を直観的に操作するための、グラフィックなユーザ・インターフェイスであるが、今年度はこのシステムにデータベースと連携する機能を付加した。これは、Javaに組み込まれているJDBC(Java DatabaseConnectivity)とよばれる一般的な枠組みを利用したものであり、JDBCに対応したドライバを持つ任意のデータベースに接続可能である。実際の運用では、Oracle8をデータベースとして使用している。また、システムの使い易さと有効性を確認するために、研究代表者が受け持っている論理学の授業で、宿題の作成と提出をこのシステムによっておこなった。対象は、主として理工学部の1、2年生であったが、かなり短時間で使い方に慣れ、複雑な証明図の作成も半数以上がこなせるようになった。
理論的な面では、線形論理のゲーム意味論を真理論や集合論に適用することを試みているが、まだ際立った進展はない。ただし、線形集合論および直観主義的集合論の証明論についての2つの論文が今年度出版されたのに加えて、昨年度の成果を2本の論文にして投稿したものを現在改訂作業中である。また、関連する仕事として、ブルバキ・グループのゲーデルに対する態度について論じた論文を翻訳し、出版した。
【研究代表者】
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】1997 - 1998
【配分額】2,000千円 (直接経費: 2,000千円)