教育を支援する知識処理システムに関する総合的研究
【研究分野】科学教育
【研究キーワード】
コンピュータ利用教育 / 知的CAI / 問題解決支援 / 知識情報処理 / 学習者モデル / 教授方略 / ヒューマンインターフェイス / オブジェクト指向 / コンピュ-タ利用教育 / ヒュ-マンインタフェイス / 指導エキスパートシステム / 工学教育
【研究成果の概要】
2年度にわたる研究期間内に合計9回の会合を持ち、その研究結果は、研究組織メンバが実行委員会の中心となって1990年7月に開かれた国際会議「教育におけるコンピュータ利用の新しい方法」に生かされ、会議は大きな成果を挙げることができた。
報告書は、研究期間ならびにその後も継続されたグループの研究の成果と討議に基づき、これからの知的な学習支援システムが実現すべき重要な機能と構成として、つぎのような視点を提案し、詳細に諭じている。
(1)メディアメタファにより、学習者が自分のメンタルモデルをその上に外化して間題解決や、知識構造/解決方略の発見のための作業を行うことのできる作業台(ワークベンチ)の提供、
(2)知識ベースにおける概念と知識と問題の型、対象世界に関する知識と知識処理の為の知識の型の切り分けによる足場の提供、
(3)問題の型に依存する解決方略に沿った知識検索と知識適用の誘導、
(4)学習者が、復数の解決方略を並列的に試行錯誤することができるようなセッション管理、
(5)知識の型に依存した学習者モデル獲得とそれに基づく指導の手続きならびにそのスケジュリング、
(6)とくに、知識構造や解決方略の発見を誘導する指導方略、
(7)学習者が入力する曖昧な、誤りを含んだ文章にも柔軟に対応できるように、理解と生成が同一の機構の中で連絡し合える自然言語処理、
(8)オブジェクト指向とウインドウシステムの技術を用いて、分野依存しない共通なコアの周辺にモジュール化された分野依存の部分を漸進的に追加して行くことが出来るようなシステム構成。
さらに本報告書では、我が国におけるこの分野の研究における重要な成果を、文献リストと別刷り再掲出によって、一望することができる。
【研究代表者】