非意識下プロセスにおけるワーキングメモリの脳内機構:意識下と麻酔下との比較
【研究分野】認知科学
【研究キーワード】
ワーキングメモリ / 実行系機能 / 麻酔 / 意識 / 情動 / ロボット / 鎮静 / ポジティブ情動 / 加齢 / 意識レベル / 二重課題 / tDCS
【研究成果の概要】
ワーキングメモリは、情報の一時的保持と処理を並行して行う機能をもつ、高次認知活動の基盤となる記憶システムである。本研究では、非意識下におけるワーキングメモリの働きと脳内機構を明らかにすることで、中央実行系機能について理解を深めることを目的とした。主な方法としては、麻酔により意識レベルを変化させ、擬似的記憶障害をもたらすことで、中央実行系機能の働きがどのように変化するのかを探索した。その結果、1/2濃度の鎮静状態では、ワーキングメモリの特徴である二重課題に対応することは可能だが、行動した内容を長期記憶に転送することはできず、ワーキングメモリが健全に機能する限界の意識レベルであることが示された。
【研究代表者】
苧阪 満里子 国立研究開発法人情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室 主任研究員
(Kakenデータベース)