美的判断における感情の役割に関する神経美学と深層学習に基づく美学理論の再考
【研究キーワード】
美 / 感情的覚醒 / 肖像画 / そのものらしさ / 感情的覚醒度 / 魅力 / 反応時間 / ウェブ実験 / 感情 / 脳機能 / 深層学習 / 美学理論
【研究成果の概要】
本研究では,鑑賞者が経験する美的感情に関する心理的基盤と脳内基盤の双方について,脳機能計測や心理学的実験を用いた研究,脳活動に対する深層学習をもとに美的感情を推定する研究,美術作品の様々な画像的特徴から深層学習を用いて印象評価を推定評価する研究を統合し,これまでの美学理論や美術史の系譜を再考することを目的としている。2021年度は,2020年度に実施したオンラインでの大規模サンプルでのウェブ実験の分析から,多様な肖像画画像に対して感じられる作品への美しさの評価の度合いや感情的覚醒の度合い,さらには肖像画に描かれている人物に感じる魅力の度合いとの関係について,評価の種類や絵画の様々な種類に応じた評価の違いや一致の度合いをもとに,感じる個人差について分析し明らかにした。さらに,深層学習を用いて,評価の種類に基づく画像の特徴分析について画像解析とともに進めつつある。また,芸術作品における表現と表現の対象となる自然や物体対象等における「そのものらしさ」についてウェブプラットホームを用いた評価実験として展開しており,美しさや感情的覚醒など,多様な評価尺度との関係について検討しつつある。さらに,同年度内にfMRIを用いた予備実験も数名を対象として実施することができ,肖像画・風景画・抽象画において感じられる美しさと感情的覚醒度のそれぞれの度合いが脳のどのような場所で活動するのかについてとらえられつつある(2022年度に追加の実験参加者を対象とした実験を行い,本解析を実施する)。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
津田 裕之 | 慶應義塾大学 | グローバルリサーチインスティテュート(三田) | 特任助教 | (Kakenデータベース) |
星 玲子 (柴玲子) | 慶應義塾大学 | グローバルリサーチインスティテュート(三田) | 特任助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
【研究期間】2020-10-27 - 2024-03-31
【配分額】18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)