分類可能な視覚的パターンが持つ情報量に関する研究
【研究キーワード】
情景認知 / 視覚記憶 / 情景 / 類似度 / 統計学習 / 類似性 / 視覚学習 / 遷移確率 / 既視感 / 視覚情報処理 / n-gram / 共起確率 / 規則学習
【研究成果の概要】
本研究は、情景を見たときに感じる馴染み感について、情景に含まれる物体同士の位置の関係性から究明することを目指して計画した。私達は網膜を通して二次元の視覚情報を受容する。ここでは、情景を複数の物体が配置された二次元情報と定義する。先行研究により物体同士の位置関係の起こりやすさが、情景を分類する際に手がかりとなることが分かっている。しかし、どのような位置関係がどの程度馴染み感に関係するのかについては詳しく分かっていない。そこで、異なる視覚的パターンの違いを定量化する手法と視覚的パターンを探索的に生成するプログラムを組み合わせて、従来検討が難しかった分類に関わる視覚的パターンが持つ情報量に対するヒトの感受性を調べることを目的とした。
これまでに上記の視覚的パターンを探索的に生成するプログラムを用いた実験を行い、その結果から情景の類似度に関係する情報について検討を行っている。今年度(R3年度)は、昨年に引き続き新型コロナウイルスの影響で初年度に行った実験を発展させた実験が行えず、計画に遅延が生じた。しかし、取得済み実験データを対象に、確率モデルを用いて新たに複数の解析を行いさらなる考察を行った。また、昨年得られた成果である時間的近接性の影響について詳しく検討を行った。その結果経験に応じて特定の位置関係や類似度の関係の情報が学習される傾向が見られた。当初行う予定であった投影機を用いた視覚刺激呈示実験を行うための機器の購入と準備を行い、追加実験ができる準備を進めてきた。本年度はこれまでの成果で未発表のものをまとめて発表を行う。また今後は視覚的パターンが持つ情報量に関する考察を様々な観点から行い、学会報告や学会での議論を踏まえて、体系的な説明を試みる予定である。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)