雨天時における自律走行のための走行レーンの認識
【研究分野】計測・制御工学
【研究キーワード】
雨天 / 道路境界線 / テンプレートマッチング / 動画像処理 / モデル
【研究成果の概要】
1. 白線候補画像の生成
雨天時と晴天時のどちらにも共通する特徴として道路の白線付近を局所的に調べると,画像のx方向で白線領域において明度が極大になる.その特徴に着目し,車載単眼視カメラから得られる時系列道路画像を入力とし,白線である可能性の高い画素を抽出することで白線候補画像を生成する方法を提案し,白線候補領域を検出することを試みた.
さらに,動画像処理(画像処理ボードにより高速化)により,前フレームの情報も採用することによって多くの白線を示す画素が抽出され,より良好な白線候補画像を生成できた.
2. ロバストな走行レーンの認識
道路モデルとして円弧モデルを用いてテンプレートマッチング手法によって白線候補画像から道路境界線を検出し,道路の曲率半径と自車両位置の推定を試みた.この手法によって,自車両の走行レーンを認識できた.但し,ここでは車両が道路に対して平行に進行していると仮定した.
さらに,道路モデルとして円弧モデルに加え直線モデルを採用するなど,前記の手法を拡張して道路の曲率半径,自車両の位置及び方向角を決定することで走行レーンを認識した.
自車両の近傍の道路境界線は直線として近似できると考え,まず直線モデルを当てはめることによって自車両の位置及び方向角を決定し,次に,決定されたパラメータと円弧モデルを当てはめることによって曲率半径を決定する.モデルパラメータが増えたことにより,テンプレートマッチング手法におけるパラメータの探索空間は増加するが,本手法では前述の手順を踏むことで削減でき,実際の道路境界線とより一致する結果が得られた.
一方,雨天時においては入力画像列中にワイパーを含み白線候補領域を検出することが困難な場合,ワイパーが存在するのはたかだか2〜3フレームであることから,ワイパーを含む画像を適切に検出し前フレームまでの結果を利用することによって解決した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
斎藤 英雄 | 慶應義塾大学 | 理工学部 | 専任講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1997 - 1998
【配分額】2,500千円 (直接経費: 2,500千円)