ストレージクラスメモリを活用した高速データベースエンジンの構成法
【研究キーワード】
データベース / ストレージクラスメモリ / データベースエンジン
【研究成果の概要】
本研究は、ストレージクラスメモリなる新たな記憶媒体を対象として、当該媒体が備える永続的でありかつ低レイテンシであるという特性に高次に適合した高速データベースエンジンの構成法を明らかにすると共に、その有効性を確認することを目指すものである。
第2年度である令和3年度は、前年度に成果に基づき、ストレージクラスメモリに適合した高速データベースエンジンの中核を成す融合記憶マネージャに焦点を絞ることとし、レイテンシを低減する或いはスループットを向上するための親和性制御方式ならびにロックフリー化バッファ管理アルゴリズムの開発を進めた。前年度に開発したデータベースバッファマネージャ(データベースエンジンに於いて主記憶と二次記憶を接続する役割を担う)を実装した試験システムをもとに、更に記憶操作に係る状態を管理するための各種の方式(状態管理のためのデータ構造、キャッシュ管理アルゴリズム、スレッド間の排他制御等)について有効性を実験により検証しながら、改良を進めた。この際、負荷としては、ページアクセスレベルの人工的なマイクロベンチマーク(偏りのないアクセスおよび偏りのあるアクセス)の他、TPC-Hベンチマークをもとに作成した解析系問合せ処理ならびにバルクロード処理を対象としたページアクセストレースを用いた。この結果、改良を行った各種の親和性制御方式ならびにバッファ置換アルゴリズムと負荷の特性との潜在的な関係を定量的に確認することに成功した。加えて、本研究で得られた知見をもとに、並列データマイニング処理へのストレージクラスメモリの活用を目指した新たな予備実験を実施することができた。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)