任意形状の弾性体を入力装置とすることが可能な知的3次元形状操作インタフェース
【研究分野】知能機械学・機械システム
【研究キーワード】
3次元形状操作 / 直接・直観的入力装置 / 力覚インタフェース / 複数操作統合 / ヒューマン・インタフェース / CAD / 人工現実感 / ニューラル・ネットワーク / 形状モデリング / コンピュータ・グラフィックス / 3次元形状測定
【研究成果の概要】
本研究は,用途に応じたさまざまな形状の入力装置に,素手で曲げる,ねじる等の直観的な変形操作を加えることにより,コンピュータ中の3次元形状モデルが連動して変形する,受動的力覚インタフェースの実現を目的として研究を行ない,次の成果を得た。
(1)変形により電気抵抗値が変化する導電性弾性体の連続体を,3次元変形センサとして利用する変形入力インタフェースを考案した。
(2)連続体各部の変形と電気抵抗値の変化の関係を,ニューラル・ネットワークに学習させることにより,多様な形状の入力装置に対応可能な変形計測,計算手法を実現した。
(3)本来は矩形格子状の制御立体について提案された自由形状変形(free form deformation)計算について,矩形以外の複雑な形状に適用可能とするために,複数の直方体で近似した単純化制御立体を用いる手法を考案した。
(4)ニューラル・ネットワークにおいて,中間層ユニット数の最適化による学習能力の最適化に加え,学習の過程で必要度の低い端子に対応する入力層ユニットを削除することにより,複雑な形状の入力装置の変形を測定するための最適な端子の数および配置を求める手法を考案した。
(5)CADやCGにおける3次元形状操作を想定,分析し,曲げやねじりなどの形状変形入力のほか,変形の固定/解放などの切替,スケーリング,位置姿勢/視線方向の変更など,必要となる操作をリストアップした。そして,変形を入力する発泡ゴム部,それ以外の操作を行なうボタン,スイッチ,スライドボリュームで構成される,複数の3次元形状操作を統合した直観的入力ツールを提案した。
(6)いくつかの3次元形状操作に関して,本研究の入力インタフェースと,従来のマウス・キーボードによるインタフェースによる,所要操作手数や所要時間に関する定量的な評価を行ない,本研究の有効性を検証した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1998 - 2000
【配分額】5,600千円 (直接経費: 5,600千円)