授業記録の分散入力型のデータベースの構築に関する研究開発
【研究分野】教育工学
【研究キーワード】
授業記録 / データベース / 分散入力 / 遂語記録 / キーセンテンス / ティーチング・ポートフォリオ / 教師教育 / 逐語記録 / ティーチング・ボートフォリオ / 初等・中等教育 / 高等教育 / ビデオフレームアルバム / 授業映像記録
【研究成果の概要】
本研究では、授業記録DBの構築作業とその活用場面を実践的に明確にする試みを行った。従来から行われている初等・中等・教育だけでなく、高等教育の授業も対象として行った。
研究課題としては次の4項目があり、
1)これまでの授業記録のデータ構造をレビューし、授業研究にとって有意義なデータ構造について、共通構造を抽出する。
2)既存の授業遂語記録を電子化・DBとして入力を行い、教師教育などで事例参照として利用できるようにする。
3)日常の業務の中で教授者自身が自己の授業履歴を入力できるメディア環境の検討を行う。
4)DB化された授業記録の活用方法の提案をする。
これらに対して、本研究では、授業の遂語記録資料の入力作業とその管理方法について研究開発を行った。
データベース構造を研究する素材として、既存の授業記録(算数24件、理科9件、社会12件、国語16件、道徳4件、合科・総合学習3件、他15件の計83件(『学習指導研修』(教育開発研究所)連載「授業記録に学ぶ」('78/9〜'88/3)で取り上げられた授業記録のうち、)を用い、授業記録に対する研究者の「考察」と授業記録の中に挿入されている図や表等も含めた記録の入力方法を電子化作業を通じて検討した。電子化作業においてキーワードとキーセンテンスを抽出することにより、教師教育用教材として有効に活用する方法を開発した。
また、音声記録のテキスト化には大学授業の遂語記録DBとして、'91年度の教育心理学普通講義(東北大学・細谷純教授)を用いて行った。OCRを用いたDBへの入力作業手順の最適化を『考える子ども』夏期集会特集号('77〜'81年)に報告された4件の社会科の授業記録を用いて検討した。
分散入力による効果的な授業記録の蓄積作業方法の研究を『総合的な学習の時間』に代表されるような教科の枠を越えた授業記録資料のニーズに応えるために行い、そこでデータベースを授業研究の資料として活用する方法を提案している。さらにこれまでの研究の少なかった高等教育における授業記録の蓄積とその活用方法についての提案を行っている。
【研究代表者】