実験計画法と多変量解析法におけるサンプルサイズの設計
【研究分野】統計科学
【研究キーワード】
サンプルサイズ / 検出力 / 多重比較法 / SN比 / MTシステム / 多重共線性 / ニューラルネットワーク / 工程能力指数 / 閉検定手順 / FDR / マハラノビスタグチシステム / 項目数 / 重比較法 / モデル選択 / 最大無影響量 / グラフィカルモデリング / 共変量
【研究成果の概要】
本研究では,実験計画法では特に多重比較法について,多変量解析法では特にマハラノビス・タグチ・システム(MTシステム)について,サンプルサイズの設計という基本的な切り口から各手法の性能の検討や改良手法の提案を行った.
多重比較法については,ダネットの方法に関するサンプルサイズの設計方法の既存研究を整理し,より簡便な近似的方法と比較検討した.また,Max t法について,前提条件に対するロバストネスを検討し,サンプルサイズとの関係を検討した.さらに,最大対比法の性能を検討し,その改良手法を考案して検討した.これらの研究は,多重比較法の実務的な応用を促進させるものであり,誤用を防ぐ意義のあるものでもある.
MTシステムについては,次のような研究を行った.まず,品質工学で中心的役割を果たすSN比とその確率分布についての考察を行った。従来は確率分布と結びつけることが困難とされていた問題であったが,2重非心分布と結びつけることにより,今後の理論的な展開への道を開いた.次に,品質工学と統計的品質管理との関係とその中におけるMTシステムの位置付けを検討した.また,MTシステムとニューラルネットワークの方法との性能比較を行った.そして,MTシステムのある種の距離の性質について理論的定理を導いた.さらに,多重共線性がある場合のMTシステムの性能と改良手法について検討した.いずれの検討も,サンプルサイズと密接に関係している.MTシステムの理論的な研究が十分ではなかった現状に対して,大きく前進することができた.
MTシステム以外の多変量解析法の分野でも,モデル選択の基準の研究,多重共線性のある場合の研究などを行い,応用上の観点から有用な知見を得た.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2005 - 2007
【配分額】3,270千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 270千円)