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横浜市立大学 研究Discovery Saga
2026年8月27日

プラネタリーヘルス教育の現状と課題を明らかに—41の研究から今後の教育の方向性を提示—

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学工学農学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
気候変動/持続可能/持続可能な開発/社会基盤/地球環境/持続可能性/体系化/生態系/看護/看護学

2026.08.26

概要

横浜市立大学大学院医学研究科看護学専攻(成人看護学領域)の庄司弥生共同研究員、玉井奈緒教授、鈴木佳奈助教らの研究グループは、藤田医科大学との共同研究により、人の健康と地球環境を一体として捉える「プラネタリーヘルス*1教育」について、世界で実施された41件の研究をスコーピングレビュー*2を用いて体系的に整理しました。その結果、プラネタリーヘルス教育の実践は高所得国の大学、特に医学・看護分野に集中しており、教育内容や実施地域に偏りがあることが明らかになりました。気候変動や環境悪化による健康への影響は、医療資源や社会基盤が限られる低・中所得国でより深刻化する可能性があることから、こうした地域においても、人の健康と環境との関係を理解し、課題に対応できる人材を育成することが重要です。また、カリキュラムへの組み込みの難しさ、授業時間の不足、教育者の認識や教育体制などが主な課題として示されました。一方、教育によって知識や批判的思考、持続可能な行動への意欲が向上する可能性も示されました。今後は、幅広い専門分野や地域への教育の拡大と、長期的な教育効果の検証が求められます。

本研究成果は、国際学術誌「Environmental Health and Preventive Medicine」に掲載されました(2026年4月23日)。

研究成果のポイント

世界の41研究を整理し、プラネタリーヘルス教育の実態を体系化
教育実践は高所得国や医学・看護系の高等教育に偏在
カリキュラム統合、教員育成、長期的な効果検証が今後の課題

掲載論文

タイトル:Current status and challenges of planetary health education: a scoping review
著者:Yayoi Shoji, Kana Suzuki, Masushi Kohta, Nao Tamai
掲載雑誌:Environmental Health and Preventive Medicine
DOI:10.1265/ehpm.25-00437

用語解説

*1 プラネタリーヘルス(Planetary Health):人の健康と、気候・生態系など地球環境の健全性は相互に密接に関係しているという考え方。人々の健康を守るために、地球環境の持続可能性も同時に考えることを重視する。
*2 スコーピングレビュー:特定の研究テーマについて、これまでに報告された研究を幅広く収集・整理し、研究の全体像や特徴、まだ十分に検討されていない課題を明らかにする研究手法。

問い合わせ先

横浜市立大学 広報担当
mail:koho@yokohama-cu.ac.jp 掲載論文 医学研究科看護学専攻