フレキシブルペロブスカイト太陽電池から鉛・金・インジウムを分離回収する技術を開発
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | 本研究成果は、劣化した実用デバイスにも適用可能であり、今後のペロブスカイト太陽電池の大規模普及に向けた循環型リサイクル技術として期待 |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
Research NEWS
ナノマテリアル研究所、准教授/ナノマテリアル研究所、教授
シャヒドゥザマン モハマド/當摩 哲也SHAHIDUZZAMAN, Md/TAIMA, Tetsuya
2026/8/21
概要
金沢大学自然科学研究科博士後期課程2年の矢澤兒海、金沢大学ナノマテリアル研究所のシャヒドゥザマン モハマド准教授、當摩哲也教授、ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)の前田勝浩教授、理工研究域物質化学系の長谷川浩教授らの研究グループは、フレキシブルペロブスカイト太陽電池に含まれる鉛および有価金属(金やインジウムなど)を、ワンステップで分離回収する技術の開発に成功しました。ペロブスカイト太陽電池は、軽量・柔軟かつ印刷技術による低コスト製造が可能な次世代型太陽電池として、脱炭素社会実現に向けた重要な技術として注目されています。本研究室では、これまで、社会実装に向けた大面積ペロブスカイトデバイスや大量生産技術の開発に取り組んでいます。しかし、ペロブスカイト太陽電池には、鉛などの高環境負荷材料や、金やインジウムなどの有価金属が用いられているため、社会実装後の大量廃棄による土壌汚染や金属価格高騰による高コスト化が懸念されています。
そこで本研究では、封止されたフレキシブルペロブスカイト太陽電池(PSC)を低濃度の混酸で処理することで、デバイス中の金属を一度に溶出させ、その後、セルロース系吸着材(※1)(DMC-2)およびキレート樹脂(※2)を組み合わせることで、溶液中から金や鉛、インジウムを固相に回収する手法の開発に成功しました。さらに、硫酸を使用することで鉛を沈殿させ、インジウムとの分離にも成功しました。本研究成果は、劣化した実用デバイスにも適用可能であり、今後のペロブスカイト太陽電池の大規模普及に向けた循環型リサイクル技術として期待されます。
本研究成果は、2026年5月20日に国際学術誌『ACS Sustainable Chemistry & Engineering』 のオンライン版に掲載されました。
金沢大学 研究