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京都大学 研究Discovery Saga
2026年8月20日

ドローン画像でハリケーンの風害を「見える化」

―ブルーシートの面積から建築基準の効果を実証―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学環境学数物系科学工学農学
【Sagaキーワード】
領域分割/自然災害/気候変動/衛星/地球環境/ドローン/衛星画像
In other languages English この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

研究者情報

研究者名
竹内 憲司

京都大学 教育研究活動データベース 

概要

神戸大学大学院経済学研究科の David Wolf(デイビッド・ウルフ)准教授と京都大学大学院地球環境学堂/大学院経済学研究科(併任)の竹内憲司教授の研究グループは、ハリケーン被災後に撮影された高解像度のドローン・衛星画像をオブジェクトベース画像解析(OBIA)で解析し、損傷した屋根を応急的に覆う「ブルーシート」の分布とその面積から、住宅の風害の有無と深刻度を広い地域にわたって特定する新しい手法を開発しました。
 この手法を、2017年に米国フロリダ州を襲ったハリケーン・イルマに適用し、2001年に大幅に強化された「フロリダ州建築基準(2001 FBC)」が住宅の風害をどれだけ減らしたのかを検証しました。その結果、新基準に準拠して建てられた住宅は、風害を受ける確率が約22%低く、被害が生じた場合でもその深刻度が約27%抑えられていることが分かりました。
 さらに、補修されないまま売却された被災住宅は、被害を受けていない住宅に比べて価格が13.3%(約29,400ドル)低く、売却そのものも難しくなっていました。本研究は、建築基準の強化が風害の軽減と気候変動への適応に有効な政策手段であることを、大規模なデータに基づいて実証したものです。
 本研究成果は、米国経済学会が発行する国際学術誌 American Economic Journal: Economic Policy の2026年8月号(Vol. 18, No. 3)に掲載されました。
画像

画像解析のイメージ。ドローン画像から色と形を領域分割によって解析し、ブルーシートであると判断された領域のRGB情報を用いて、画像全体に渡る被害予測を行う。©️神戸大学/David Wolf

研究者のコメント
「気候変動の進展に伴い、ハリケーンをはじめとするさまざまな自然災害の増加が予想されています。本研究の成果を通じて、災害への備えや、気候変動適応に向けた政策デザインに少しでも貢献できれば幸いです。」(竹内憲司)

詳しい研究内容について

ドローン画像でハリケーンの風害を「見える化」―ブルーシートの面積から建築基準の効果を実証―

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1257/pol.20240544
【書誌情報】
David Wolf, Kenji Takeuchi (2026). Are Building Codes an Effective Adaptation to Wind Risk? Evidence from Remotely Detected Blue Tarps.American Economic Journal: Economic Policy, 18, 3, 509-540.

関連部局

地球環境学堂/学舎 経済学部・経済学研究科