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京都大学 研究Discovery Saga
2026年8月19日

コケを食べる特異なダニの新種を本州・四国で発見

―2新種と3日本初記録種の報告で多様性解明に貢献―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
生物学
【Sagaキーワード】
コケ植物/種多様性
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

研究者情報

研究者名
池田 颯希
Researchmap 
研究者名
今田 弓女

京都大学 教育研究活動データベース 

研究者名
中野 隆文

京都大学 教育研究活動データベース 

概要

ダニ類は害虫のイメージが強いですが、実際は人に無害な種がその大半を占めています。マルヒシダニ属には、コケ植物のみを食べて成長し繁殖するという、特異な習性もつ仲間がいます。それらは、植物と動物の進化史への理解を深めるうえで重要な研究対象ですが、日本国内には名前がついていない種が多い状況でした。そこで、池田颯希 京都大学理学研究科 博士後期課程学生、今田弓女 同助教、中野隆文 同准教授の研究グループは、本州・四国から採集されたマルヒシダニ属の5種について、分類学的研究を行いました。形態およびDNA配列を調べた結果、うち2種は、これまでに知られているどの種とも異なる特徴をもつことが分かりました。そのため、Eustigmaeus specialis(サワゴケマルヒシダニ)およびE.saxicola(コウギョクマルヒシダニ)と命名し、新種として記載しました。また、極東ロシアから知られていたE.grandisを日本から初めて報告し、オオマルヒシダニの和名を与えました。残りの2種は、E.etruscusおよびE.clavatusとして暫定的に報告しましたが、これらの正体については今後の検討が必要です。日本産マルヒシダニ属の種多様性の全貌を明らかにするために、更なる研究が望まれます。本研究成果は、2026年8月6日に国際学術誌「European Journal of Taxonomy」にオンライン掲載されました。
画像

本研究で新種として記載したマルヒシダニ属の2種とその生息環境 ©池田颯希

研究者のコメント
「コケ植物を食べるダニのことは、この記事で初めて知ったという方がほとんどだと思います。ですが、彼らは身近な自然環境に生えるコケ植物にも生息しています。(人の迷惑にならないよう気をつけて)ぜひとも彼らのことを探してもらいたいです。『ここにはいそう』とつまみ取ったコケ植物をルーペで覗いて、実際にダニに出会えたとき、予想が当たった嬉しさと、小さな隣人を尊ぶ気持ちが、あふれてきます。人には無害な、のんきなダニです。」(池田颯希)

詳しい研究内容について

コケを食べる特異なダニの新種を本州・四国で発見―2新種と3日本初記録種の報告で多様性解明に貢献― メディア掲載情報
【DOI】
https://doi.org/10.5852/ejt.2026.1082.3312
【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/302498
【書誌情報】
Satsuki Ikeda, Yume Imada, Takafumi Nakano (2026). Two new species and new country records of Eustigmaeus (Trombidiformes: Prostigmata: Stigmaeidae) in Japan.European Journal of Taxonomy, 1082, 1-40.

関連部局

理学部・理学研究科