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北海道大学 研究Discovery Saga
2026年8月18日

動物園動物の「うんち」が語る、隠れた健康不調のサイン

~動物園動物の健康管理へ腸内細菌の可能性を探る第一歩~(獣医学研究院 准教授 中尾亮)

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
生物学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
個体群/リンパ腫/獣医学/遺伝子解析/健康管理/遺伝子/医師/細菌/細菌叢/早期発見/腸内細菌/腸内細菌叢

2026年8月18日
北海道大学
札幌市円山動物園

発表のポイント

●円山動物園で飼育する8種の草食動物の腸内細菌叢を解析。
●一見健康そうな動物でも健康不調によって腸内細菌叢が変化。
●将来的に腸内細菌叢の解析が病気の早期発見につながる可能性。

発表概要

北海道大学大学院獣医学研究院の中尾 亮准教授、札幌市円山動物園飼育展示・診療担当課の柿阪圭太獣医師らの共同研究グループは、札幌市円山動物園で飼育されている草食動物を対象に腸内細菌叢を解析し、その乱れが健康不調のサインとなる可能性を見出しました。
動物園動物は野生動物の性質を色濃く残すため、スタッフと動物の安全確保のために診察に麻酔が必要となることが多く、動物への負担が大きな課題でした。今回の研究では、動物に負担のない「糞便」に着目し、遺伝子解析技術を用いて、動物ごとの腸内細菌叢のデータを収集しました。その結果、見た目には健康そうでも、重篤な疾患を抱えていた個体では、腸内細菌の多様性が著しく低下し、腸内細菌バランスが崩れていることが分かりました。特に、リンパ腫で死亡したハイイロカンガルーの事例では、明らかな病気の症状が出ていない段階ですでに腸内細菌の多様性が低下し、他のカンガルーと細菌構成比が異なっていたことが判明しました。本研究は糞便の解析が病気の早期発見の手がかりになる可能性を示しました。
なお、本研究成果は、2026年8月13日(木)公開のJournal of Zoo and Wildlife Medicineにオンライン掲載されました。
論文名:A cross-sectional survey of the gut microbiome in zoo-housed herbivores: Associations between taxonomic deviations and individual health status(動物園で飼育される草食動物の腸内細菌の横断的研究:健康個体群からの逸脱と個体の健康状態の関連)
URL:https://doi.org/10.1638/2025-0091
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研究成果の概要図