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名古屋大学 研究Discovery Saga
2026年7月17日

免疫チェックポイント分子LAG-3がALSにおけるミクログリアの機能を病期依存的に制御することを発見

-炎症と貪食を別々に制御する新たな因子の同定-

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
免疫チェックポイント分子を標的として、病期に合わせてミクログリアの働きを選択的に調節する、新たなALS治療戦略や神経変性疾患治療の開発につながることが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
医歯薬学
【Sagaキーワード】
筋萎縮/モデルマウス/グリア/マウス/ミクログリア/神経変性/神経変性疾患/免疫チェックポイント/薬理学/筋萎縮性側索硬化症



医歯薬学
2026.07.16

研究のポイント

慶應義塾大学薬学部薬理学講座の森﨑祐太 助教、三澤日出巳 教授らは、名古屋大学環境医学研究所の山中宏二 教授、小峯起 講師らとの共同研究により、免疫チェックポイント分子「LAG-3」が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)におけるミクログリアの機能を病気の進行段階に応じて切り替えるスイッチとして働くことを発見しました。LAG-3を欠損させたALSモデルマウスでは発症が早まる一方、その後の病態進行は緩やかになりました。研究の結果、この一見矛盾する変化は、LAG-3がミクログリアの「炎症」と「貪食(不要物の掃除)」という二つの機能を病期に応じて別々に制御しているために生じることが明らかになりました。今回の発見は、免疫チェックポイント分子を標的として、病期に合わせてミクログリアの働きを選択的に調節する、新たなALS治療戦略や神経変性疾患治療の開発につながることが期待されます。本研究成果は、2026年6月25日に国際学術誌Journal of Neuroinflammationに掲載されました。
 
・免疫チェックポイント分子LAG-3が、ALSモデルマウスの脊髄ミクログリアで病気の進行とともに増加し、「疾患関連ミクログリア(DAM)」と呼ばれる活性化状態で強く発現することを発見しました。
・LAG-3を欠損させると、ALSモデルマウスでは発症が早まる一方で、発症後の進行は遅延するという、二相性の表現型を示しました。
・LAG-3は、ミクログリアの「炎症」と「貪食」という機能を病期に応じて別々に制御していました。病期後期では、LAG-3欠損によりミクログリアの炎症機能が抑えられる一方で貪食機能は増強され、脊髄全体の環境改善もみられました。
・免疫チェックポイント分子を標的とし、病期に合わせてミクログリアの機能を選択的に調節するという、神経変性疾患に対する新たな治療戦略の可能性を示しました。
 
◆詳細(プレスリリース本文)はこちら
 

論文情報

【タイトル】
Immune checkpoint LAG-3 governs stage-dependent and disease-associated microglial modules in ALS model mice
【著者名】
Yuta Morisaki, Nanaka Nomura, Motoki Ohshima, Miruto Matsuda, Okiru Komine, Takashi Okuda, Koji Yamanaka, Hidemi Misawa
【掲載誌】
Journal of Neuroinflammation
【DOI】
10.1186/s12974-026-03919-8
https://doi.org/10.1186/s12974-026-03919-8
 

研究代表者

環境医学研究所 山中 宏二 教授
https://www.riem.nagoya-u.ac.jp/4/mnd/index.html